―――まだだ……
6時間目の授業の中盤から、政宗はずっと背後から視線を感じていた。理由は、大体想像がつく。
今は担任の武田が明日の予定を簡単に話している。視線の主は、真面目にその話を聞きつつも、意識だけはしっかりとこちらにむけられているのが見ずともわかった。
―――完全にLook onってわけか。だが………
政宗もそれを向かえうつために気を引き締めた。
―――利用するしかねぇ
「規律っ!」
視線の主がムダに気合いの入った号令をかける。「例!」と叫び頭を下げ終えると同時に
「まさむねどのぉぉぉおおおおおおおお!!!!!」
―――来た!
1-1学級委員長、真田幸村がものすごい勢いで政宗に迫ってきた。クラスメイト達は「またか……」と特に気にすることなく部活の準備や変える仕度をしはじめている。
「今日の午前の授業、出席せずに一体どこに行って―――」
ガシィ!
政宗は迫り来る幸村の両肩を強く抑えて止めた。(何人かの女子生徒がピクンと反応した)
「なにも言うな」
「む?」
政宗はうつむいて語りかけた。(何人かの女子生徒の耳がダンボになった)
「なにも言わずに、俺についてきな」
政宗は幸村の手首を乱暴につかむと「な、何をっ」と騒ぐのにも関わらず無理やり教室の外へとひっぱって行ってしまった。クラスメイトは学校の設備が壊れないかを心配しながらそれを見送った。(何人かの女子生徒はガン見していた)
「な、なんと……これは、いったい……」
幸村が連れてこられたのは普段使われていない多目的教室だった。二人が教室に入ると、すでにそこにいた三人の生徒がこちらをみた。
「おお!いらっしゃい、1組学級委員長さんっ!政宗も、ありがとな」
そのうちの一人、慶次が待ってましたというように二人を迎えた。
「いやー、ほんと助かったよ!まぁ……できたらもうちょっとはやくきて欲しかったけど」
「だな。ぜってー気まずかったろ、このメンツ。」
「メンツ」と複数を指し示しながら、政宗は一人の生徒をチラッとみた。
「なんだ。何が言いたい、伊達政宗」
視線に気付いた石田三成は、政宗を忌々しそうに睨み返した。
「フン、長曽我部に言われて来てみれば……。奴はいない。そして……」
今まで黙っていたもうひとりの生徒をビシィッと指差して
「何故貴様がいる!!!家康ゥゥウウウ!!!!!!!」
「いや、何故って言われてもなぁ。俺は慶次に呼ばれたんだが」
名指しで呼ばれた徳川家康は困ったように頭をかいた。
三成はなおもせまってくる。
「だれに呼ばれたかなどどうでもいい!!!何故貴様が私と同じ空間にいる!?何故私の視界に入っている!!?何故同じ空気を吸っている!!!?」
今にも掴みかからんばかりの勢いでまくしたてる三成に四人は苦笑するしかなかった。
「け、慶次殿。なんなのでござるか?この集まりは」
おそるおそる切り出した幸村に、慶次も空気を変えようと必死に答えた。
「あ、ああ!そうだな!えっとことの始まりはさ―――」
